一眼カメラやフィルムカメラが流行している時代にあって、気軽に始められる「被写体モデル」。
インスタで見かける写真では有名人でもないのにとても可愛かったり、キレイな人が世の中にこんなたくさんいるのか？と思ったことがある方も多いのでは。
「被写体モデルって可愛くないとできない？」
「どうしたら被写体モデルになれる？」
今回は登録部員30名（カメラマン7割、モデル3割）以上の写真部MUZE運営の傍らポートレートカメラマンとしてポートレート界隈に関わっている実体験から被写体モデルが可愛くないと言われる3つの理由、そしてモデルをしてみたいとたくさんの声を耳にする実態をお伝えします。
この記事を読むことで可愛く撮られるコツとモデルしてみたい女性が多い実態を知ることができます。
被写体モデルになるにはどうしたら良い？
出典:unsplash
「被写体モデル」という言葉が流行していますが、そもそもどうやったらなれるかご存知でしょうか。
ここでは被写体モデルとは何なのか、どんなことをやっているのか、どうしたらなれるのか具体的にご紹介します。
ちなみに、写真アプリで「撮影→加工」した可愛い写真とは違い、被写体モデルは一眼カメラでモデル撮影した場合を指すことが多いです。
被写体モデルって何？
風景や人物写真などそこに映るメインの素材ことを「被写体」と呼びます。
【被写体 ひしゃたい】
被写体とは撮影する対象物のことで、自然風景、花、昆虫、動物、人物、建物、鉄道や航空機などさまざまです。
出典:Canonイメージゲートウェイ
お気づきだと思いますが被写体とはそもそもメインのことを指しているのでポートレート撮影における「被写体モデル」とは日本語的にちょっとおかしくて、いわゆる造語です。
ちなみにポートレート写真には「主被写体」「副被写体」があり主被写体はもちろんモデルさんのこと。
副被写体は撮影する際の背景にあたる海・山・街など写真にストーリーを与えるサブテーマのことですね。
被写体モデルってどんなことするの？
基本をおさらいしたところで、次は「どうやったらなれるのか？」というお話。
結論ですが、プロの広告モデルを目指すわけでもない限り、誰でもなれます。撮る一眼カメラさえあれば、今からスグなれます。
容姿や年齢・男女も関係なく「撮って欲しい人⇔撮られたい人」がいればその場で成立するでしょう。
被写体モデルは以下のような活動をします。
✔被写体モデルの活動
・個人でカメラマンと撮影日程を決める
・モデルマッチングサイト「Remember」にモデル登録する
・カメラマンと1対1で撮影する個人撮影（個撮）
・一眼カメラで本格的な自撮りをするモデルさんもいる
・移動は車、電車、徒歩など
・撮影時間は人によってさまざま（2時間～10時間）
・一般人同士なら相互無償が多い
モデルマッチングサイト「Remember」は有料モデルとしてカメラマンがモデルさんを選ぶのでそれなりに実績がないと難しいでしょう。
しかし、カメラが流行している現代は、個人間で近隣に住むカメラマンとやり取りして撮影する方が多いですね。
ただし「カメラマン⇔被写体モデル」間のトラブルが絶えないので、信頼できる人かどうかを見極めましょう。
被写体モデルのなり方
被写体モデルのなり方でもっとも多いケースは以下。
✔被写体モデルのなり方
・Instagramに顔が分かる写真を載せる
・InstagramでカメラマンさんにDM依頼する
・ハッシュタグ「＃カメラマン募集」で連絡を待つ
・知り合いに直接依頼する
・全国美少女図鑑に応募する
方法はいくらでもありますがモデルさんが自分の顔を載せていないと、相手はどんな人か分からないので依頼することができません。
SNSはたくさんありますがもっとも信頼できるのが「Instagram」。
Instagramは「同じ趣味や好きなものを繋ぐ」特性があるため、同じように活動するモデルさんやカメラマンさんなど人間関係が見えてくるのでおすすめ。
また、過去に撮った写真を載せていて安心できそうなカメラマンを見つけるためにもInstagramのフィード画面は見やすいといったメリットがあります。
被写体モデルが可愛くないと言われる3つの理由！
出典:unsplash
ここからは本題の被写体モデルが可愛くないと言われる理由を3つご紹介します。
人間にはそれぞれ顔のパーツや体型など変えることができない要素が多いため、いかにそれを良く見せるか？オブラートに包むかといったところも争点になるのではないでしょうか。
撮る側（カメラマン）の問題
被写体モデルさんが初心者の場合、カメラマン側のアプローチや指示が写真の”良し悪し”を決めます。
という事はカメラマンの感性も重要ですが、まずは色んなシーンに対応できる知識や技術・機材を持っていることが前提になります。
例えば上の写真は清潔感があってとてもスッキリした印象に見えるのに対して、
角度が違うだけで顔の大きさや表情などまるで別人になってしまいます。（実際はもっとあれ？と思うような写真がありますがモデルさんが掲載NGだったので）
高性能な一眼カメラが素晴らしいと言われているのは画質・描写など写りを保証するハード面。
可愛い写真を撮るためには「撮影場所・構図・明るさ・ポージング・顔の角度」など細かいところを決定するソフト面がかなり重要です。
この辺りの判断はカメラマンさんに委ねられることが多いので、モデルさん側も撮ってもらった写真の中からSNSアップして良い写真と、そうでない写真を見極めることで可愛いモデルだとみんなに認識してもらうことが可能に。
初めは誰でも撮るのが下手くそなので、それでも撮らせてくれる被写体モデルさんはとても大切な存在です！私も最初はずいぶんと失敗ばかりして迷惑かけましたので。。
自分の魅せ方や利き顔を知らない
よく自撮りやプリクラを撮る人は、自分の顔の特徴や可愛い角度を知っていることが多いでしょう。
ポートレートでも同じようにもっとも良いアングルからキレイに撮ることであなたの良さが際立ちます。
✔自分の利き顔を知る方法
①鏡の前で口角を上げてみる→より口角が上がっている方が「利き口」
②鏡の前で左右それぞれウインクする→自然にできる方が「利き目」
③鏡の前で右眉と左眉をそれぞれ動かしてみる→自然に動く方が「利き目」
④自撮りして左右の目の大きさを比べる→より大きく開く方が「利き目」
まずは、自分の顔が左右対称なのか知る必要があります。
例えばこちらの女性はとてもキレイな肌をしたモデルさんですが、顔の頬が張っているのが悩みで顔をスッキリ見せるため鎖骨が出る服をチョイスすることが多いそう。
こちらはボツにしたNG写真ですが顔を横に傾けたため、頬が強調されるアングルになってしまいました。また、強調すべき鎖骨も隠れてしまっていますね。
反対にこちらは顔を少し斜にしてアゴを少し上げ、前髪を頬のラインに当てる、鎖骨がキレイに映っているということでOK写真になりました。
同じ服装でも撮る角度やポージングによって良し悪しが全く変わってくることがお分かり頂けたかなと思います。
自分の特徴をカンタンに知る方法は自分が似てると言われる芸能人のファッション、魅せ方を学ぶことではないでしょうか！
ポージングや可愛く撮られるコツを知らない
ファッションモデルのように美しくエモいポージング、表情。
とても同じ人間だと思えないと感じることがある女性は多いものですが、ちょっとした工夫で一般人でも可愛さは劇的に変わります。
上で紹介した利き顔に加えて、とても重要なのが”ポージング”。
以前「被写体モデルの基本ポージングのバリエーション17種類を伝授！撮影会のギャラ相場や本音まで裏側を教えて貰いました。」でも紹介したあざとい系ポージングが得意のプロモデル・音々さん。
元々がすでに可愛いという部分はありますが、こんなキレイな彼女でも真っすぐ立つだけだと味気がありません。
しかし、一つずつポージングを付け足していくと、
アッと言う間にポージングのバリエーションが増えて、可愛さやスタイルの良さを強調することができます。
また、アップの写真でも表情に動きを少し加えるだけで印象は変わります。
こうしたポージングを一つプラスするだけでもずいぶんと顔の印象や周りからの評判は変わってくるでしょう。
もっとポージングのことを知ってみたい人はこちらの記事がおすすめです。
ちなみに音々さんは自ら撮影会を主催しているのでモデル業以外にも運営、カメラマンとの付き合い方にも精通しています！
【実体験】高校生から30代まで撮られてみたい人が続出しています。
出典:unsplash
実際に写真部MUZE運営とポートレートカメラマンとして活動していると、「撮られてみたい！」と考える女性が意外に多い印象。
最近では中学生・高校生モデルのInstagramを見かけることも多くなりましたが、特に高校生とアラサーの写ることに対する意欲が高いように感じます。
高校生の被写体モデルを採用する動き
芸能界を目指す子役でも弱年齢化が進んでいるようにモデルさんに関しても、高校生を採用する動きが進んでいます。
例えばコチラの求人サイトでは年齢制限がなく「高校生可」の記載が。
出典:engage
たくさんの被写体モデルさんを擁するコットン撮影会でも22歳以下であれば「高校生」を採用する動きがあります。
出典:コットン撮影会
最近は音楽PVや広告プロモーションでも有名人ではなく駆け出しの若いモデルさんを起用するケースが多く、こうした背景から一般人にとってモデルデビューすることは困難ではなくなりました。
また、高校生もTiktokやSNSで顔出しすることが多くなり、被写体として活動してみたいと考えるのはとても自然なことのように思えます。
加えて自慢の娘を撮って欲しいと思っている親御さんも多く、卒業シーズンになるとたまに撮影依頼が入ります。
美容専門学校に進学するモデルKさんですが、ここで撮影した体験が今後の彼女のモチベーションや美を追求する後押しになれれば嬉しいですね。
ただし、高校生は未成年であることには変わりないため、カメラマンに撮影してもらうときは親に同伴してもらう、知り合いなど信頼できる人に撮影依頼すると良いでしょう。
アラサーで人生を見つめ直す
これ、本当に最近よく感じることなんですが自分の身の周りに被写体したことないけど「やってみたい！」と思っている方が多いです。
その方達に共通しているのが「アラサー」。
30歳が近づくと恋愛・仕事・結婚とこれまでの人生これからの人生について考えることが多くなり、不安・不満を感じている人は何かを”変えたい”と強く願っています。
そのキッカケとして「被写体モデルになる」という方法がもっとも身近で、かつ非日常体験ができるわけですね。
私も今年に入ってすでに5人ほどアラサーの方たちを撮影していますが、いずれも被写体モデルは未体験の方ばかり。
撮った写真を掲載したいと思いましたが年齢がバレるので、掲載しないでおこうと思います。
被写体モデルをやってみたいという方はアラサーを機に始めてみたり、モデルさんがいなくて困ってる方は身近にいる興味ありそうな方に声かけてみるというのもおすすめですね。
被写体モデルになる上で知っておきたい3つの地雷
出典:unsplash
初心者の方でも気軽に被写体モデルに挑戦できるわけですが、それが故にカメラマンやモデル同士のトラブルは多いのが実情。
私の周りにも心無い行動をとるカメラマンや礼儀を知らない被写体モデルと言うのもまた、人としてどうなのかな？と感じてしまうシーンはよくあります。
自分には関係ない！と思う方もいますがアマチュア同士のやり取りでもこういったトラブルは頻繁に起こっているので被写体活動をより楽しくするためにも覚えておきましょう。
礼儀やマナーを身に付ける
Instagramでは上手な写真や動画をアップしているカメラマン・クリエイターさんの元にはたくさんのDMが届くと聞きます。
そのほとんどは「被写体モデルをやってみたいんだけどタダで撮ってもらえません？」と言うもの。
プロのカメラマンさんであれば作品撮りやフォトコンテスト用に無償でモデルさんを撮影することはありますが、それは基本的に撮ってみたいと感じる魅力的なモデルさんに限定されます。
✔被写体モデルさんに求められる礼儀やマナー
・挨拶ができる
・短文のDMはタブー
・カメラマンの気持ちを思いやる
・約束した時間を守る
求めることはそんなに多くありませんが年齢に関わらずこの辺りができない若い女子は結構多い印象。
これって、モデルに関わらず社会人として常識だよね？っていうラインなのですが、カメラマンさんは30代以上の割合が多いこともあってマナーやモラルを重視する方が多いです。
素敵な写真を撮ってるから自分も撮って欲しいと感じてもらえることは撮る側として非常に嬉しいことで、インスタにコメントやDMを送ってくれるとさらに喜びます。
しかし、敬意を持ってメッセージしているかかどうかは、文章だけで判断できるものでくれぐれも失礼のないようにしましょう。
またカメラマンやモデルさんを批判したり悪口を言っていると、その噂はカメラマン側にも伝わるので控えることをおすすめします。
貰った写真の使用方法
いざ、撮影！の後はカメラマン側から写真データを貰うことがほとんど。
枚数はカメラマンによってさまざまですが2時間ほどの撮影でも30～100枚ほど貰えることがあります。
お互いに無償で撮影している関係なら貰った写真はインスタやTwitterにアップしても良いことになっていますが、いくつか掲載する上でルールがあります。
✔貰った写真の使用方法
・いつでも掲載OKならそのままSNSアップ可
・SNSにアップするときはカメラマンをタグ付けする
・写真に関連性の低いハッシュタグを付けない
・載せて良いか迷ったときは必ず確認
基本的に撮影した写真はカメラマンが編集してからモデルさんに渡すわけですが、自分でOKを出した写真だけモデルさんに送っているためSNS掲載の都度、カメラマンに「掲載していいですか？」と確認する必要はありません。
ただし、これは個人や趣味の範囲の話し。
例えば貰った写真を無断でお見合いサイト用に使う、インスタビジネスアカウントのTOP画に使う、Twitterの裏垢で使うなど撮影者の意図に沿わない使い方はタブーです。
ちょっとでも載せてよいか迷ったときは必ずカメラマンに確認することをおすすめします。
著作権の話しになると難しいので割愛しますが貰った写真は正確には「使う権利の一部を預かっている」という認識で覚えておくとトラブルを避けられるでしょう。
ちなみにモデルさんにも肖像権があるのでいくら上手なカメラマンとは言え、モデルさんの承諾なしに掲載できないという権利があるのでこれも併せて覚えておくと良いでしょう。
勝手に貰った写真を加工しない
これも意外と多いのですがInstagramはフィード投稿に正方形が推奨されているため、横長や縦長で撮った写真をいつもどうやって掲載するべきかカメラマンはいつも悩んでいます。
意図しない形で切り取られてアップされてしまうこともありますが、故意にモデルさんが画像を加工して載せるのはタブー。
✔勝手にやってはいけない写真加工
・故意に切り取りする
・顔にモザイクを入れて使う
・フィルターやエフェクトを追加する
・色味を加工する
悪意があって写真加工するモデルさんは少ないと思いますが、写真には撮影した人に「同一性保持権」というのが附帯されるので撮影者に無断で一切の加工をすることが禁止されています。
カメラマンはモデルと背景の配置、色味、画像サイズなど全てのバランスを吟味して一枚の写真を作ります。
そのため、それを意図しない形でSNS掲載されてその写真を撮った人の技術や信用まで失いかねないためです。
例えば写真に写ったネイルだけをアップで見せたいからと勝手に拡大してSNS掲載するのもダメですね。
写真加工に関してはカメラマンは基本的に嫌がるので、基本的にしないものとして覚えておくと良いでしょう。
可愛い写真は必然で生まれます！
出典:unsplash
今回は被写体モデルが可愛くないと言われる3つの理由、そしてモデルをしてみたいとたくさんの声を耳にする実態をお伝えしました。
被写体モデルが可愛くないと言われることがありますが、そもそも写真記録を残すということは自分をもっとよく魅せる、意識を高めることが目的です。
自分の顔や体の特性を知り綺麗に映るコツを知っていればもっと自分のことを好きになれるかもしれません。
礼儀やマナー、写真の取り扱いを身に付けたうえで楽しい被写体活動を続けるモデルさんが増えてくれればとても嬉しいことだと考えています。
今回の記事が、可愛い被写体モデルになりたいと思っている方の参考になれば幸いです。
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カメラを始めてわずか半年でプロモデル、テレビ局タレントの撮影を担当する。ポートレート撮影や企業撮影のほかWEB広告クリエイターとして活動。2021年7月7日に鹿児島写真部MUZEを立ち上げ、クリエイターやアパレル・ハンドメイド作家・地元店舗とコラボ企画を行う。2022年『PASHA STYLE』認定クリエイター。鹿児島出身。
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