写真が上手い人もいれば、反対にそうでない人もいますがその違いは一体、どこにあるのでしょうか。
結論ですが、下手な人は被写体(人・もの)を見せることに対する引き出しの少なさです。
今回は年間50件以上のポートレート、商業、記念撮影をしてきた私の実体験から下手と言われる人の特徴とおすすめ構図について解説します。
この記事を読むことで写真が下手な人の特徴とスグ使える構図を学ぶことができます。
写真が上手い人と下手な人の違いは引き出しの多さ
出典:unsplash
写真が上手に撮れない人に対してイライラ不満を募らせている、女性が世の中には多いと聞きます。
一方で旦那さんがデジタルカメラが趣味と言う家庭では記念・行事のたびにフォトグラファー派遣をする必要がなく、家族の関係性も良くなるというデータがあるそう。
果たして、この両者の違いはどこにあるのでしょう。
✔写真が上手な人の傾向
・スマホ撮影なら男性より女性
・物事に対する感受性が高い人
・写真と触れ合う機会が多い人
・全体のバランス感覚が優れている人
✔写真が下手な人の傾向
・芸術や美術への嗜好が低い男性
・見た目にこだわらない人
・写真に魅力を感じていない人
・撮ることも撮られることも嫌いな人
私の体感としては10代の頃から男性より女性の方が記念撮影やプリクラなど写真と触れ合う機会が多いと思います。
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MMD研究所が”15歳~54歳のスマートフォンを利用している男女2,659人を対象に行った調査結果”によると、
写真撮影で最もよく使うのは「スマートフォンのカメラ」で84.9%、10代女性では96.8%
出典:MMD研究所
この結果からも年代問わず女性の方が日常的に撮影への意欲が高いことが分かりますね。
話しがそれますが、ネット上では羽生結弦の写真が下手という声があるそう。
羽生結弦と言えばリンク上では表現者の頂点にいるような素晴らしい選手なのに写真がどうして悪評なのでしょうか。
私の想像ですが「自分を見せること」についてはトップクラスですが、「物を見せる」ことについては引き出しが少ないからだと思います。
写真が下手と言われる人の特徴と解決法
出典:unsplash
では、具体的に写真が下手だと言われる人にはどんな特徴があるのでしょうか。
結論ですが「知識・技術・引き出しの少なさ」が要因である場合がほとんどです。
1つずつ具体的に解説していこうと思います。
スマホカメラや写真の知識が乏しい
いつも撮影するときスマホカメラやデジタルカメラを使っている方が多いと思います。
スマホにはポートレート機能やパノラマ、プロ、夜景撮影などさまざまなモードがありますが、下手な人はこういった機能をほとんど使ったことがない方が多いですね。
✔カメラ機能や写真の知識
・ポートレート機能で背景をぼかす
・明るさ補正
・縦横比
・インカメラとアウトカメラ
・フィルター使用
・撮影後の編集
など色々な機能がありデジカメを持っていなくても魅力的な撮影や加工は可能です。
あとはその知識を身に付けているか、撮影時の状況に合わせて使い分ける応用力があるかがポイント。
写真が上手い人は、
・色んな人の写真を見ている
・Instagramのエモいフィルターを使う
・「写真ふんわり」等のアプリで後から色やコントラストを調整する
・自撮りならインカメラで盛る
・写真トリミングで見やすく切り取りする
・スタンプや文字入れする
こういう下手な人が面倒くさがるような行動を「楽しい」「面白い」という感覚でこなしています。
小さなことですがこの積み重ねが蓄積されてパッと良く見せるためのアイデアを思いついたりするもの。
スマホカメラで満足できなくなるとフィルムカメラやデジタルカメラを買ってさらに追及する”探求心”が上手い人の背景にあるのではないでしょうか。
スマホでも十分エモい写真を撮ることができますよ!
もっとも見せたい主役と脇役のバランス
皆さんが「写真を撮りたい!」と感じるシーンはどんな時ですか。
ほとんどの方が面白い物を見つけた時、映えそうなスイーツが運ばれてきた時、恋人と記念で、旅行先の観光地で、など何かお目当ての物があった時にそう感じるのではないでしょうか。
✔写真を撮りたくなる心理とは
・良い物をみんなに共有したい
・誰かに知ってほしい
・心が動いたとき
・いいね!がたくさん欲しい
どれも共通しているのは写真を通して向こう側にいる誰かに訴えかけたい、と大きく心が動いた場合ですよね。
それはみんなに見せたいものが「主役(テーマ)」ということ。
それ以外は全て脇役で背景にしかならない訳ですが、下手な人はこの主役を見せたいとき”写真と主役のバランス”を取ることができません。
それはつまり、写真の中で主役が目立つような工夫がされていないということです。
・強く見せたいときはドアップで撮る
・背景に奥行きがある
・周りがきれいにボケている
・背景がゴチャゴチャしていない
・主役が色鮮やか
このような工夫があれば見ている人の視線は主役へと導かれるので相手に強く印象を残すことができるでしょう。
また、背景の情報量が多すぎると見る人が飽きてしまうので、下手な人はなるべくシンプルな写真を目指すと良いでしょう。
中古でも良いのでデジタルカメラを買って練習すると上達するスピードも上がりますよ。
明るすぎたり暗すぎたりする
これはスマホ・デジカメどちらでも起こりうることですが写真が必要以上に明るすぎたり暗すぎることがあります。
それぞれのケースで見てみると、
✔スマホで暗くなってしまうケース
・逆光で人や物が真っ暗になる
・室内で撮る
・夜景を撮る
スマホの場合は明るさを自動補正する機能が付いているためまぶしい太陽光に向かって構えると勝手に明るさ露出を極端に下げてしまうため、写っているものが全て真っ暗ということがあります。
また、暗い夜や室内での撮影では部屋に充分な明るさがないと暗くなりがち。
✔デジカメで明るくなってしまうケース
・マニュアルモードで撮影
・太陽をフレームインして撮る
・日中に明るいレンズで撮る
デジカメにはいくつか異なる撮影モードがあります。
マニュアモードの場合、明るさ調整を自分で行う必要がありますが、そのまま明るい屋外で撮影すると明るすぎて白飛びすることも。
あえてそうしているなら表現の一つかもしれませんが下手な人はまず、誰もが見やすい適正な明るさを目指すべきです。
・スマホで逆光撮影は避ける
・スマホなら順光や斜光がおすすめ
・スマホで室内撮影なら露光量を上げる
・デジカメなら自動モードを使う
・暗くなった写真なら後から補正できる
・明るくなった写真は後で補正できない
このような点を注意すれば明るさの問題はクリアできると思います。
上記で紹介した「順光」「斜光」は以下の記事で詳しく紹介しているので興味がある方はご覧下さい。
もっともエモい写真は逆光が多いですがデジカメじゃないと難しいかもしれません。
水平垂直が崩れている
写真表現の中で正中が撮れた写真、なんて表現がありますが基本的には水平が撮れていない写真はとても見苦しいもの。
下手な人はよく地面が傾いていたり、建物が斜めに映っていたりします。
✔水平垂直が美しい写真
・水平線がしっかり真横になり主役は垂直に立っている
・規律性がある
・美しい絵画のよう
・文字や絵のように歪んでいると見えづらい
このような特徴がありますが私も撮影するときは水平垂直をいつも基本にしています。
水平線がずれていると見せたい物に目がいく前に歪みの方が気になって、集中できなくなりますからね。
・スマホやデジカメのモニターにグリッド線を表示させる
・グリッド線に合わせてシャッターを切る
・歪んでいたら写真編集で回転させる
こうすることで見えづらい写真を解消することができるので下手な人にはおすすめです。
ただし、広角(人間の視野より広い画角)で撮っている場合は、現実の物を引き伸ばして撮っているのでフォルム全体が湾曲しています。
そのため写真編集でびっちり縦横を揃えることはできませんのである程度、沿っていたらOKかなと思いますね。
写真の歪みは、心の歪みなんて言われることがあります。
全て縦アングルで撮影している
これ、結構当てはまってドキっとしている人も多いのではないでしょうか。
スマホの場合、通常は縦持ちなので撮影するときカメラ起動してそのまま縦アングルで撮り続けていませんか?
✔写真の縦・横アングル
・縦アングルは人物や縦長の物向き
・縦アングルはインスタで大きく表示される
・横アングルは自然や横長の物向き
・横アングルは標準でSNSで活用しやすい
縦と横にはこのような特徴がありますが、どちらを選択するかはその”撮りたい物次第”です。
人物ポートレートではモデルさんの魅力を引き立てるため縦長アングルが選ばれやすいですが、上記の建物のように横に広がる建造物や広大な自然を撮っている写真ってだいたい横長ですよね。
・人物や縦長フォルムをキレイに見せるには縦アングル
・横長フォルムには横アングル
・インスタ用なら縦、TwitterやFacebook用なら横
・分からない時は縦と横どちらも撮っておく
状況に合わせて縦と横を使い分けるだけでも写真は良くも悪くも見えるものです。
上記のような点に気を付けて普段は何気なく構えていたカメラの向きを変えるだけでも、ガラっと印象を変えることができるでしょう。
Instagramでは正方形画像を推奨していますが、縦長写真はフィード画面でより大きく表示されます。
下手な人でもスグ使えるおすすめ写真構図3選
出典:unsplash
写真が下手な人の特徴と解決法をおさらいしましたが、併せてスグに活用できる素敵な構図をご紹介します。
写真構図は黄金比率と呼ばれる絵画・美術品・古代遺跡で使われているデザインが基本。
ぜひ、過去の偉人たちが生み出したセンスにあやかりましょう。
三分割構図
「三分割構図」は写真の縦・横に2本ずつ線を引いて、写真を9つのエリアに分ける考え方。
上の写真では2本ずつ引いた線が交差する位置にモデルさんを配置しています。
下手な人はついついどセンターに人や物を配置しがちですが、少し位置をずらすだけでもだいぶオシャレに見えますよね。
✔三分割構図とは
・縦と横に2本ずつラインを引く
・写真を9つのエリアに分ける
・縦横のラインが交差する4カ所に主役を配置
私もこの構図が大好きなんですが個人的な感想としては、人の場合は「左上・右上」がベストですね。
物の場合は「左下・右下」の構図が全体のバランスとしては上手く収まりやすいでしょう。
二分割構図
「二分割構図」は写真の真ん中横にラインを引いて、上下で世界観を変えるというもの。
上の写真では海のはるか向こう水平線で二分割することで上半分は空の世界、下はモデルさんの世界という配置になっています。
✔二分割構図とは
・写真の真ん中横にラインを引く
・上と下の写真の対比
・上と下で異なる世界観を表現できる
この構図はテーブルフォトや物撮りにはあまり向いていませんが、屋外で自然や観光スポットをラインに見立てて使うと有効です。
この二分割ラインを使うときは前章でも触れた水平・垂直を意識すると成功しやすいでしょう。
点構図
「点構図」は広く世界観を切り取って敢えて人や物を小さく写す、というもの。
この構図は背景がゴチャゴチャしていない自然の中で使いやすいものですが、全体の雰囲気がエモいと思わせる手法でもあります。
✔点構図とは
・世界観を広く切り取る
・人や物は点で捉える
・壮観な山や空などが最適
お気づきだと思いますがこの構図では人も物も主役ではありません。
主役はむしろ大自然の方でトータル雰囲気で魅せたいときに活用できる構図ですね。
なかなか上達しない人は過去の写真を見直してみる
出典:unsplash
ここからは一歩踏み込んだお話しになりますがカメラマンの方で世の中には写真が上手い人、下手な人がいますよね。
他人の写真を批判するのは好きではないのですが、やはり普段から写真に慣れたカメラマン視点で他人の写真を見たとき「もっとこうしたら良いのに」と心の中で思ってる方も多いのではないでしょうか。
では、短期間で上達する人とそうでない人はどんな違いがあるのか私の体験談から考えてみると、
・過去の写真を見ることでフィードバックを受け取っている
・人の写真表現を見て批判しない
・写真を眺める”観察眼”が優れている
・機材をケチらない
・急遽の撮影にいつでも対応できる
ここに当てはまる人は私の周りでもだいたい凄い写真を撮っている方が多いですね。
この中でも私が大切だと思っているのが「過去の写真を見ることでフィードバックを受け取っている」ということ。
だいたいの人って撮りっ放しで写真を相手に納めたらそれで終わることが多いと思うんですが、過去に撮った写真を見ることで色々な気付きがあります。
✔過去に自分が撮った写真を見て気付くこと
・誤ったカメラ設定
・レンズ特性
・構図の良し悪し
・トリミングすれば使える写真は多い
・意外と良い写真があったりする
・撮った時の情景を思い出す
写真が上達したかどうかって物差しがないですし、周りからの評価に頼ることが多いわけです。
でも、ある人が良くないと思っても一方である人は「凄く良いね」と思うことだってありえる。それで一喜一憂してたら成長だって止まるし、ムラッ気が強すぎますよね。
それなら、自分で自身への写真総評をすることが成長には欠かせないのでは、と思う次第です。
私が上手だと思っているイルコ・アレクサンダロフさんのポートレート写真ですが、一方で下手だと言う評価を持っている人がいるそうです。
色んな写真を眺めながら自分の引き出しを増やそう
出典:unsplash
今回は私の実体験から下手と言われる人の特徴とおすすめ構図について解説してきました。
下手な人というのは本当は存在していなくて実はちょっとしたコツを掴むことで、ガラっと写真の雰囲気も変わるものです。
余談ですが私はMT(ミッション)車のギアチェンジが下手でよくエンストするので乗らないようにしていますが、実は自動車学校を卒業してから2回ほどした乗ったことがないんです。
これって、失敗体験が強かったせいもあり「自分は下手だ」と思い込んでるだけで、実は経験がほとんど無かっただけで練習すれば普通に乗れるのかもしれませんw
今回の記事が写真が下手でもっと上手になりたいと思っている方の参考になれば幸いです。
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カメラを始めてわずか半年でプロモデル、テレビ局タレントの撮影を担当する。ポートレート撮影や企業撮影のほかWEB広告クリエイターとして活動。2021年7月7日に鹿児島写真部MUZEを立ち上げ、クリエイターやアパレル・ハンドメイド作家・地元店舗とコラボ企画を行う。2022年『PASHA STYLE』認定クリエイター。鹿児島出身。
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