せっかくモデルさんと予定を合わせてポートレート撮影を予定していたのに、突然の雨や台風。
だいぶ涼しくなってきて実りの秋を迎えようとしていますが、カメラマンにとって天気が変わりやすい秋の空は悩みのタネだと思います。
今回はカメラを始めて半年でプロモデル、テレビ局タレントを撮影した自分が鹿児島の屋内施設でポートレート撮影できるおすすめスポットをご紹介します。
雨天時に機転がきくことはカメラマンとして信頼に関わる問題なので、雨天時の撮影スポットを知っておくと時間を有効利用できて周りからも信頼されること間違いなしです。
ポートレート撮影日に突然の雨、、どうする?
私の場合はプライベートや写真部MUZEの運営でモデルさんと交流する機会が多いのですが、撮影依頼をするのは1ヵ月以上前がほとんど。
その間に衣装やイメージのすり合わせをして本番を迎えることが多く、その方が目的を持って撮ることができるので好んでこのスタイルを持っています。
しかし、1ヵ月以上先の天気は分からないものだし、この時期から台風がやってくるため変更や延期をするケースは多いですね。
突然の雨予報になった時の対処法を2つまとめてみました。
雨を使ったポートレート撮影に切り替える
雨は厄介ものですが発想を変えて「雨」をテーマにしたポートレートを撮るという方法があります。
でもカメラマンとしては機材が濡れて壊れてしまうのはご勘弁、、
しかし、最近は雨ポートレートを撮る方も多く雨ポートレートセミナーを行っている「kazu snoopy」さんの作風の影響もあってストロボを使った雨ポートレートは人気があります。
カメラボディやストロボも専用防水カバーを使えば問題ありませんし、Olympus OM-Dシリーズのように防水性を備えたカメラも活用できます。
ドシャ降りでの撮影は難しいですが小雨程度なら雨ポートレートの対象になると思いますね。
あらかじめ屋内施設を探しておく
こちらはどんな場面でも常に考えておくべきポイントですが代替え案として撮影できそうな「屋内施設」をリサーチしておく方法です。
屋内施設と言っても貸スタジオから公共施設までさまざまですが、ポイントはあらかじめ予約や撮影許可を取っておかないといけない点に注意が必要です。
公共施設なら許可をとるのに無料でとれることが多いためあらかじめ申請しておいて、雨が降らなければそのまま屋外ロケーション撮影すれば良いでしょう。
あくまでも許可取りが前提なので公共施設でゲリラ的に撮影するとあとあとトラブルになるので気をつけましょう。
鹿児島の屋内施設でポートレート撮影できるおすすめスポット!
ここからは実際に私が利用したことがある屋内施設をはじめ、雨の日でも撮影できそうなスポットをまとめてご紹介します。
なお、記念館や図書館などは撮影許可が必要になりますのでお問い合わせ先も併せて紹介しています。
雨の日の予備候補として頭に入れておけば日程を崩すことなく、撮影を楽しむことができるのではないでしょうか。
いおワールド
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いおワールドは鹿児島にある唯一の水族館として人気が高く、週末になると子供から大人までたくさんの方が訪れる観光スポット。
こちらは天気が怪しいなと思った時点で休館日を除く日ならいつでも予約なしで訪れることができるポートレート撮影スポットでもあります。(要入館料)
館内が真っ暗で不思議な世界観がありますが周りのお客さんに配慮しながら撮影すればいつもとちょっと違うエキゾチックな写真が撮れると思いますね。
ちなみに、いおワールド側に撮影について問い合わせましたが「2F黒潮大水槽、4Fアオリイカ水槽のみフラッシュ撮影禁止。館内での撮影はOK。どんどんSNSにアップして下さい」とのこと。
旧鹿児島紡績所(技師館)
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旧鹿児島紡績所は明治時代の産業革命を支えた構造物で、初期の洋風木造建築が特徴的な国の重要文化財。
現代では前撮りや七五三の撮影スポットとして人気がありますが、西洋風の異世界感はポートレート向きでもあります。
私も撮影で訪れていますが平日だとがら空きで撮影できるうえに、建物内や庭園まで撮影スポットは充実していますね。
ちなみに撮影許可は無料でとることが可能であらかじめ申請書をメール添付すればカンタンに許可取りができます。
嘉例川駅
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お馴染みJR肥薩線の駅で国の登録有形文化財にも指定されており、開業当初のままのおもむきが人気の霧島市にある嘉例川駅。
最近ではカメラマンが線路に入って撮影した!などカメラマンのモラルに賛否両論があったいわくつきとしても有名ではないでしょうか。
春になるときれいな桜が、秋は紅葉が満開でポートレートスポットとしてはかなり情緒のあるスポットと言えます。
基本的に撮影許可はないようですがくれぐれも線路内に立ち入ったり、壁や建物を傷つける行為はご法度なので注意しましょう。
鹿児島空港
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鹿児島空港はもともと飛行機を撮影するカメラマンが集う聖地でもあり、高い吹き抜けの天井があることから解放感があるとポートレートスポットとしても人気が高い場所です。
基本的には1Fエントランス、1Fバスターミナル、展望デッキでの撮影がメインになると思いますが、侵入禁止区域や店舗の映りこみには注意が必要。
大きなフォルムを描いた構造物でもあるので混雑時を避けて展望デッキで撮ればパリっとした写真が撮れると思いますね。
くれぐれも公共施設なので通路や利用客の妨げにならない程度に撮影を行うのが望ましいでしょう。詳しいことは以下リンクよりお問い合わせ下さい。
天文館通り
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ご存知、鹿児島天文館通りは鹿児島一の繁華街、薩摩藩時代から鹿児島城下で栄えた商業地。
アーケード通りには屋根が付いている区画が多いため、撮影会が行われるなど雨の日でもポートレートやスナップ写真を撮ることができます。
天文館をぶらぶらしていると街の路地裏通りや面白い構造物も多いため、撮影ロケーションに飽きることはないでしょう。
週末となると人通りも多くなるため通行の妨げや場所の占有には注意して撮影を楽しみましょう。
アミュプラザ
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アミュプラザは鹿児島の商業地の中心としてファッション、グルメ、コスメが集まるシンボルマークのような存在。
館内は人が賑わっているため中での撮影は難しいかもしれませんが観覧車、アミュ広場、地下通路などはよくポートレート現場として利用されています。
特にこれから冬のクリスマスシーズンにあわせてライトアップされていく予定なのでおすすめは夜のポートレート撮影ですね。
撮影許可は特にありませんが店舗や人の映り込みには注意が必要です。
稲盛記念館
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鹿児島大学郡元キャンパス内になる稲盛記念館は稲盛和夫名誉博士を記念に建てられたもので、館内には一般の方も入館することができます。
この施設の一番の魅力は「横幅のある長い階段」でここに座って撮影するカメラマンさんやモデルさんの姿をよく拝見しますね。
撮影スポットはそこまで多くありませんが県内に住むカメラマンなら一度はポートレート撮影してみたい聖地のような場所。
館内にはレストランがあるなど一般の方でも楽しめるようになっていますが、撮影やSNS掲載には許可が必要なので必ず大学側に問い合わせしましょう。
南風図書館
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南風図書館は鹿屋市にある南風菓舎の近くにあるヘミングウェイ邸宅をイメージした図書館で、フェスティバロ系列店としても有名ですが写真展が開催されることでも有名。
私も今年の5月に南風図書館でポートレート撮影、9月には南風菓舎で開催された大隅写真部「写楽」さんの展示会に行ってきました。
どちらも南フランスのようなリゾート地のような建物が特徴的で、近くにはツツジやサツキ、ムクゲ、 アジサイが咲く南風ガーデンがあります。
南風図書館の場合は個人施設のため事前に電話確認すればOKがもらえることが多く、申請書は不要でした。
アトリエ-オランジュ
アトリエ-オランジュは姶良市にある西洋風メインの貸スタジオでレイヤーが集うスタジオとして人気があります。
スタジオには撮影用小物やソフトボックスレフ板が無料貸出されていて、1人1日2500円とスタジオとしてはかなりお安めの設定でスタジオ撮影を体験することができるでしょう。
目玉は真紅のソファにシャンデリアのある洋室、和風ブースや白ホリもあるので色んなシチュエーションのポートレート撮影を楽しむことができます。
カメラマンとモデル2人で一日いても5000円というのはかなり魅力的で当日全員キャンセル以外はキャンセル料もかかりません。
冠嶽園
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冠嶽園はいちき串木野市にある中国風庭園で多くのカメラマンから愛されているポートレート聖地。
鹿児島に唯一ある中華ムード漂う施設で衣装や装飾にもこだわってオリジナルの撮影を楽しむことができます。
毎週月曜日は定休日ですがそれ以外の平日は来園者も少ないため、がっつり撮影したい方は平日チョイスが良いと思いますね。
月曜日が定休日で撮影には許可が必要になるため興味がある方はいちき串木野市冠岳コミュニティセンターまでお問い合わせ下さい。
布計小学校跡
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布計小学校跡は伊佐市の最北地である大口布計地区にある木造の小学校で、昭和54年に廃校になってからも観光地として手入れされておりアトリエや街コンとして活用されています。
フォトドラでも紹介されたスポットで大正昭和のノスタルジーな雰囲気が漂っており、教室や廊下はまるで映画のような世界観。
雨が降っていなければ小学校跡近くにある山野川には天然プールのような「苺の淵」があり、光が差し込む幻想的な雰囲気は風景カメラマンや滝好きにもおすすめ。
校舎は一般にも開放されておりあらかじめ伊佐PR課に連絡しておけば校舎の鍵を借りることができるため、併せて撮影許可を貰っておくと良いでしょう。
旧島津氏玉里邸庭園
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旧島津氏玉里邸庭園は島津家27代当主が1835年に造った庭園で、いかにもと言う日本庭園の美しさと茶室はジャンルを選ばずポートレートにマッチするおすすめスポット。
この時期の紅葉した日本庭園は絶景ですが入園は無料で、茶室のみ有料となっていますが4時間借りても2400円なのでじっくりと作品撮りすることが可能です。
入園は無料ですが撮影にあたって事前に申請が必要なので、興味がある方は下記リンクからお問い合わせ下さい。
室内や屋内施設でポートレート撮影するときの注意点
ここでは雨予報になって急遽、予定変更して屋内撮影に切り替えても慌てることなく対応できるよう注意点をまとめておきました。
あくまでも当日に屋内撮影に切り替える場合は事前申請ができず、場所が限定されてしまうためあらかじめ予約を取っておき、もし屋外で撮れそうならキャンセルする形でも良いと思います。
ただし、有料スタジオや施設の場合はキャンセル料がかかることがあるため注意しましょう。
人込みは避ける
まず、一つ目は人混みを避ける、ということ。
週末の撮影予定で雨が降り出したらみんな揃って屋内施設で過ごそうと思うのが普通で、観光地ともなると人混みになる可能性があります。
人が多いとそれだけモデルさんが立つ位置やポージングは制限されるし、何より人が入り込んでキレイな構図を作ることが難しくなるでしょう。
私の場合、基本的に週末は人がいない景勝地の屋外撮影を組んでおき、空いた平日に屋内施設の予約を行っています。
急な悪天候の場合は仕方ありませんが、晴れ間が出たらなるべく人がいない場所を選ぶと撮影がスムーズに進むでしょう。
室内照明ではなくストロボ光を使う
室内や屋内施設の撮影でもっとも天敵になるのが「ダウンライト照明」。
この手のライトは上から下に強い光を放っているのでポートレート撮影ではモデルさんの顔や腕にいや~な影が出やすくなります。
それを防ぐ方法としてストロボを使うわけですが、基本的に日中であればダウンライトを消してカーテンを開け外の自然光とストロボを組み合わせれば自然なライティングが可能に。
ストロボをお持ちでない方にはGODOXの3000円以内で買えるTT560やTT600をおすすめしていますが、詳しく知りたい方はこちらの記事で紹介しています。
撮影・掲載許可を取る
ここはカメラマンとしてのモラルが試される場面でもありますが公共施設や無料開放している文化財では撮影やSNS掲載許可を取る必要があります。
ゲリラ的に撮影してSNSアップしてもバレないかもしれませんが、そんな心情で撮影していても落ち着いて良い画角では撮れませんしあとでトラブルになった方が何倍も労力を費やすことになりますね。
撮った写真がフォトコンやWEB上で取り上げられるなどどういう形で扱われるか分からないため、事前申請と許可は必ずとっておきましょう。
この辺りはアマチュアにしてもプロにしても同じで、最近は役場まで持って行かなくてもメール添付で申請書を送ることもできるようになってきたので「許可と撮影」とクセ付けてしまえばそこまで苦になりません。
雨の日のポートレート撮影テクニック
最後は番外編として冒頭で雨が降ってきたらどう対処すれば良いかという選択肢で「雨ポートレート」を選択した場合の撮影テクニックをご紹介しておきます。
雨ポートレートでは大切なカメラが濡れるリスクだけでなくモデルさんもびしょ濡れで大変な思いをするので、必ずその旨を伝えて一緒に作品撮りできそうか確認しましょう。
傘という小道具グッズをそのまま使う
雨の撮影に行くとき必ず傘を持っていると思いますが、雨ポートレートに透明な傘はもっとも最適です。
その理由は天候の悪い空は白やグレーの光を放っていますが、透明な傘はその光をディフーズしてモデルさんの顔に光を集めることができるアイテムになるから。
また、雨の寂しい感情を映しやすいので写真がより情景的になると思いますね。
引きの画角で傘を差して立っている様も絵になりますし、モデルさんにしゃがんでもらって傘越しに撮る構図も素敵です。
色々、工夫して撮ってみるとまだ見たことのない傘を使った雨ポートレートを追求してみましょう。
バックライトで雨を停止させて撮影する
これは冒頭でも紹介した「Kazu snoopy」さんが得意とする形ですが、モデルさんの後ろと前からストロボを使って撮影すると雨粒に光があたって幻想的な世界を演出することができます。
雨を停止させて撮影する際のポイントは「雨粒の大きさ」に注目してみましょう。
小雨で霧のような雨粒だとそこまでくっきりと雨が強調されないため、大粒の雨が降っているときにトライしてみることをおすすめします。
なお、ストロボを傘にあてて撮る夜景ポートレートという手法もあります。
プールや海辺で濡れ場撮影
撮影ではちょっとした開き直りも大切でどうせ濡れるならプールや海辺で濡れ場のポートレートを撮影するという方法があります。
これはモデルさんの大きな協力なしでは実現しないことですが、濡れてもOKしてくれるモデルさんの場合はカメラマンとしては貴重なチャンスに。
体全体を水中に入れて顔だけ出して撮影したり、中には完全にカメラマンと潜水して水中撮影するという強者もいます。
濡れ場撮影、、この表現が正しいのかはわかりませんが、考え方を変えれば水を使った撮影をする場合は晴れだろうが雨だろうが天候を気にすることなく撮影に望めることも。
雨対策を万全にしてモデルさんとその瞬間を楽しもう!
今回はあらかじめ予定を入れておいたポートレート撮影が雨になった時の対処法や、雨を有効活用する撮影方法をカンタンにご紹介してきました。
いずれもカメラマンの事前リサーチやモデルさんの協力なしで撮影は成り立たないので、晴れた場合と雨が降った場合を想定して準備しておきましょう。
また、屋内施設で撮影する場合は事前に申請が必要かどうかそこまで下調べしておくとじっくりと撮影を楽しむことができます。
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鹿児島写真部MUZEでは「MUZE撮影会」やイベント企画など撮影技術向上を目指した企画を行っています。
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カメラを始めてわずか半年でプロモデル、テレビ局タレントの撮影を担当する。ポートレート撮影や企業撮影のほかWEB広告クリエイターとして活動。2021年7月7日に鹿児島写真部MUZEを立ち上げ、クリエイターやアパレル・ハンドメイド作家・地元店舗とコラボ企画を行う。2022年『PASHA STYLE』認定クリエイター。鹿児島出身。
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