【写真プリント予備知識①】顔料インクとは「絵の具」のように表面に定着する方式のこと!染料インクとの違いは階調の豊かさ。

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「顔料インクと染料インク」誰もが一度は耳にしたことがある名前ですが、その違いは実際にプリントした実物を見ないと今いちピンとこないもの。

 

大手プリントメーカーCANON・EPSONが発売するプリンターはたくさん種類があって、染料と顔料どちらを買えば良いか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

 

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三国志のゲームによく「顔良(がんりょう)」ってキャラが出てきてて好きだったなぁ。。

 

今回は普段から撮影した写真を印刷する機会が多いカメラマン目線から、写真プリント予備知識編として顔料インクのメリット・デメリット、染料と顔料の違いや結局どっちが良いの?というお話をご紹介します。

 

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私はEPSON派。普段から写真用に顔料インクジェットプリンター、簡易印刷にはCANONの染料インクジェットプリンターを使用しています!

 

この記事を読むことで以下のような悩みを解決することができます。

 

💡こんな悩みを解決

・顔料インクって何?
・顔料と染料って何が違うの?
・顔料と染料どっちが良いの?

 

顔良インクの特性や普段使っていて感じるメリット・デメリットも、併せてご紹介しますので最後まで読んで頂けると幸いです。

 

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顔料インクとは「絵の具」のように表面に定着する方式のこと

絵の具のような顔料インク
出典:unsplash

アクリル絵の具・水彩絵の具・油絵具でも使われている原料が「顔料」

 

『顔料(読み方:がんりょう、pigment)は、着色に用いる粉末で水や油に不溶のものの総称。着色に用いる粉末で水や油に溶けるものは染料と呼ばれる。』
出典:Wikipedia

 

正確には、絵の具には「体質顔料・水溶性糊料・安定剤」も含まれていますが、色を再現する成分は顔料によるものです。

 

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チューブの絵の具は塗りやすいように水で薄めるけど、確かに溶けない。。

 

顔料の元となる成分は主に以下。

 

・白色顔料:亜鉛華・鉛白・リトボン・二酸化チタン・沈降性硫酸バリウム及びパライト粉
・赤色顔料:鉛丹・酸化鉄赤
・黄色顔料:黄鉛・亜鉛黄(亜鉛黄1種・亜鉛黄2種)
・青色顔料:ウルトラマリン青・プロシア青(フェロシアン化鉄カリ)
・黒色顔料:カーボンブラック
出典:インク革命.com

 

何やら難しそうな成分ばかりですがもともと、水に溶けない成分だけを抽出して絵の具にしています。

 

そして、プリント印刷する際も同じように、顔料インクでプリントした写真などは印画紙の上にインクが乗っている状態が顔料インクプリントです。

 

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まさに、印画紙の上に絵の具のように描かれた対象物を転写しているわけですね!

 

染料インクと顔料インク
出典:EPSON

 

上図のように顔料インクは紙に染み込むことなく表面に定着します。

 

反対に、染料インクは水溶性(水に溶ける)成分なので、紙の内部まで完全に染み込んで再現されていることが分かります。

 

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顔料インクはもともと文章印刷に推奨されていましたが、近年は高精細な写真印刷用として認知されています!

 

次章では顔料インクのメリット・デメリットをおさらいしましょう。

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顔料インクのメリット・デメリット

混ざりあうインク
出典:unsplash

 

顔料インクは不溶性で絵の具のように表面に定着すると言った特徴がありますが、反対にデメリットはないのでしょうか。

 

私も実際に顔料インクプリンターを使っていると、以下のようなメリット・デメリットを強く感じることがあります。

 

顔料インクのメリット・デメリット

メリット/①写真の色再現と階調性が高い
メリット/②幅広い用紙に対応できる
デメリット/①ランニングコスト(インク代)が高い
デメリット/②衝撃に弱く剝がれやすい

 

良い点だけでなく悪い点も含めてこれから付き合っていくプリンター選びの参考になれば幸いです。





顔料インクのメリット/①写真の色再現と階調性が高い

 

プリンターはあらかじめ「顔料インク・染料インク」どちらか一方しか使えないタイプが一般的。

 

染料インクは発色が鮮やかという特徴がありますが、反対に顔料インクはより「階調性が高い」といった特徴があります。

 

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階調性とは、同じ白でもより明るい部分とそうでない部分がありますよね。反対に、黒は黒でも深い黒と浅い黒みたいな。この最も明るい部分~最も暗い部分までの「階層の深さ」のことです!

 

上の動画でも紹介しているように染料インクは「ただキレイ」と言う印象しか持ちません。

 

しかし、顔料インクは印画紙との組み合わせによって「アート」「美術」「芸術」と言ったフレーズを連想します。

 

実際にプリントした写真

 

上の写真は実際に私が顔料インクプリンター(高光沢紙を使用)で印刷したものですが、これまで見てきた染料インク写真とは比べ物にならないほど高精細でマイルドな仕上がりに。

顔料インクのメリット/②幅広い用紙に対応できる

様々なプリント用紙
出典:EPSON

 

インクジェット用の写真用紙には実にたくさんの種類があります。

 

・写真用紙(高光沢・半光沢・絹目調)
・フォト光沢紙
・スーパーファイン紙
・ファインアートペーパー
・マット紙
・印画紙
・印画紙(絹目調)
・コピー用紙

 

基本的には染料・顔料どちらのプリンターでも使用することはできますが、絹目調やバライタ調のように表面がザラザラとした感触のプリント紙がありますよね。

 

染料インクは「紙に染み込む」といった特徴があるため、表面が凸凹したプリント紙では思ったような仕上がりにならない場合があります。

 

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バライタ調、、まさに銀塩写真の元祖のような紙ですね。。

 

ピクトランバライタという高級印画紙を製造している会社のHPを見ると、

 

『染料はきわめて小さく、媒体表面のインク受容層の中に侵入します、顔料粒子は大き いためにインク受容層の上に残ります。染料はインク受容層が透明であればその色材の能力を100%近く引き出せます。』
出典:PICTRAN

 

このように記載されていますが、裏を返せば「インク受容層が透明でない印画紙はプリント性能が100%未満になる」と言うことではないでしょうか。

 

そのため、顔料インクはプリント紙・印画紙に左右されることなく”表面に乗っかる”ため、選択できる用紙の種類も多いということになります。

顔料インクのデメリット/①ランニングコスト(インク代)が高い

インクタンク
出典:unsplash

 

プリンターには「プロ仕様(業務用)」「家庭用」の2種類がありますが、インクって気が付くとなくなっていることが多いうえに純正は高いので意外とお金がかかります。

 

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インクには純正と互換(非純正)がありますが写真にこだわるなら純正、簡易的な印刷なら安い互換もアリですが、ノズル詰まりや故障の原因になることを考えると純正がおすすめです!

 

プロ仕様も家庭用もどちらも同じインクですがプロ仕様では8色~10色、家庭用では4色~6色が一般的。

 

CANONから発売されたどちらもプロ仕様の「PIXUS PRO-G1(10色顔料インク)」、「PIXUS PRO-S1(8色染料インク)」でインク代を比較してみました。

 

純正インクの目安

・純正CANON PFI-G1 10色セット(PRO-G1用)…18,400円
・純正CANON PFI-G1MBK 1色マットブラック(PRO-G1用)…1,760円
・純正CANON BCI-66 8色セット(PRO-S1用)…14,400円
・純正CANON BCI-66BK 1色ブラック…1,643円
出典:Yahoo!ショッピング

 

もともと、10色と8色の違いもありますが純正セットでは「4,000円」もの開きがあります。

 

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毎月、全色セットを買ったとしたらPRO-G1は年間220,800円、PRO-S1は年間172,800円とその差なんと48,000円!

 

CANON公式のインク・用紙合計コストを見てみると、

 

PRO-G1(顔料) PRO-S1(染料)
 

L版フチなし

キヤノン写真用紙・光沢 プロ
[プラチナグレード]
約42.0円 約36.0円
キヤノン写真用紙・
光沢 ゴールド
約28.3円 約24.5円

出典:CANON

 

PRO-G1の方が1枚あたり約4円~6円高いということが公式発表されています。

 

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1枚たりともムダにプリントできない。。

 

こう言った点は、色再現と階調の豊かさ故の、顔料インクのデメリットかなと感じています。

顔料インクのデメリット/②衝撃に弱く剝がれやすい

剥がれ落ちる壁
出典:unsplash

 

顔料インクの”表面に定着する”という性質は、裏を返せば塗料を塗った壁のように「衝撃に弱く剥がれ落ちやすい」傾向があります。

 

プリントした用紙を裸のまま使うのか、展示するのか、額装するのかなど取り扱いもさまざまですが、取り扱いには注意が必要です。

 

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綺麗にプリントした高精細な写真でも、ぶつけたり剥がれ落ちたらアウト。。

 

顔料インクは染料インクと比較して、経年劣化しにくく長年その状態をキープできると言われていますが、短期間での破損は顔料インクでプリントした用紙の方が多い印象ですね。

 

剥がれを予防する方法

・プリントしたらそのまま額などにすぐ入れる
インクジェット写真用保護スプレーを使う
・印刷面が擦れないように注意を払う

 

イメージとしては顔料絵の具で描かれた中世の絵画を取り扱うような感じでしょうか。

 

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名作絵画を美術館に飾るときは、薄暗い照明を使うことで作品の劣化を防いでいますよね!

 

特に大切な写真の場合はプリントしたらすぐ額に入れることをおすすめします!ちなみに、ラミフィルムなどは印刷紙の質感や光沢具合を変えてしまうのでおすすめしません。

染料インクと顔料インクの違い。結局どっちが良いの?

鮮やかな顔料インク
出典:unsplash

 

当サイトをご覧の方は写真に興味がある方が多いと思いますが、実際のところ写真プリントには顔料と染料どっちが良いの?という疑問がありますよね。

 

顔料のメリット・デメリットを踏まえた上で、改めて染料との違いやどういうシーンに使い分けすれば良いのかご紹介します。





染料インクと顔料インクの違いは階調の豊かさ

色の種類
出典:unsplash

 

顔料インクの特徴が分かったところで改めて染料インクとの違いをまとめてみました。

 

顔料インク 染料インク
方式 紙の表面に定着 紙に染み込む
発色 高精細な色再現 クリアーで鮮やか
光沢 ムラが出やすい 光沢感を得やすい
印刷表面 ザラザラ 滑らか
乾燥時間 早い 遅い
相性の良い用紙 多い 少ない
多機能 少ない 多い(コピー・スキャナー)
経年劣化 しにくい しやすい
擦れ・剥がれ しやすい しにくい
価格 高い 安い

 

こうして特性を並べてみると、染料の方がコスパが良くメリットも多いと感じますね。

 

しかし、多くのプロカメラマンや写真家、写真館のプリントでは”顔料が好まれやすい”傾向にあります。

 

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写真の乾燥時間って意外と重要で、染料の場合は印刷直後は色乗りが悪く、時間経過とともに色が出てくる点は厄介ですね。

 

短期色安定性イメージ
出典:EPSON

 

顔料はプリントしてすぐ色が露出するため、プロの現場や写真を忠実にプリントしたいと考える層にとって、細かいレタッチ&テストプリントが必要になるシーンでは大切な要素です。

 

写真印刷で美術品レベルを刷るなら顔料インクがおすすめ

 

上の動画はスポーツや報道写真家を経て、写真やアートに関するワークショップ・講義を行う渡部さとるさんが運営する「2B Channel」。

 

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動画中で紹介されているEPSON「SC-PX1V」というプロ仕様プリンターは10色顔料タイプ!

 

印画紙との組み合わせもそうですが繊細な仕上がりを求める際は、プロが選択するのは顔料である場合がほとんどです。

 

また、同時に顔料インクプリンターとの組み合わせで重要視されているのが「印画紙の種類」

 

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印画紙とは「銀塩プリント用の用紙」のことでバライタベースとRC(Rasin Coating:レジンコート)ベースの2種類があり、この2つは特に独特のキメ細やかなテクスチャを再現してくれます!

 

よく、写真展に足を運ぶ機会があるのですが展示されている写真を見てみると、

 

・印画紙(バライタ調、RC)
・マット紙
・光沢紙
・ファインアート紙
・和紙

 

アート的な作品はプリント用紙の素材にもこだわっていることが多いですね。

 

よりハイクオリティの作品作りをしている方は撮影からプリントまで一貫して作業を行っていることが多く、まさに「レタッチ + 顔料インク + 用紙素材の選択」という流れが鉄板。

 

簡易的な展示用や素材印刷なら染料インクがおすすめ

小さな写真展
出典:unsplash

 

より高度なプリントや階調の豊かさは顔料インクと言いましたが、趣味のアマチュアカメラマンがそこまで求めているかというのはまた別の話し。

 

街のフォトコンテストや写真展では染料インクでプリントされた作品は多いですし、最近のフォトコンテストではデータ形式のオンライン応募も定着しています。

 

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顔料が良いのは分かるけど、お小遣いでランニングコスト維持するのほんっとムリ。。

 

実際、維持するためでそれなりにコストがかかりますし、カメラレンズも高価なのでプリントはこだわらないという方も多いのではないでしょうか。

 

染料インクがおすすめのケース

・初めてプリントする
・町の美術展、写真展の展示用
・家族の思い出写真
・友達、恋人との記念写真
・ビル群の写真など細かい色表現にこだわる場合

 

実際、顔料インクは印画紙との組み合わせで無数の表現が可能になりましたが、染料インクの描写で優れているところは細かい色表現が可能という点。

 

色とりどりのたくさんのネオンが光っている夜のビル群の景観写真では、顔料ではなく染料の方が向いていることが多いです。

 

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コスト的にプリンター購入が難しい場合は、写真展やフォトコン御用達のプリント専門店に外注するという方法もありますよ!

 

いずれにしても、用途や必要とされるレベルに合わせて染料・顔料、自家生産・外注を使い分けることが必要と言えそうです。

 

インクジェットプリンターに関する予備知識

CANONプリンター
出典:unsplash

 

最後にインクジェットプリンターに関するCMYKカラーの基礎知識、プリンターの相場価格、おすすめの顔料プリンター3選をご紹介します。





CMYKの基本

写真の現像レタッチをする方ならご存じだと思いますが、モニター上で見る写真の色情報はRGBカラーによって統制されています。

 

しかし、それを実際にプリントするにはプリンターが持つ「CMYK」カラーに変換する必要があります。

 

CMYKカラー

『CMYKは、Cyan(シアン)、Magenta(マゼンタ)、Yellow(イエロー)、Key plate(キープレート≒黒、墨)の頭文字をとって表したものです。

シアン、マゼンタ、イエローは、印刷物において色を表示する際に使われ、理論上はこの3色の組み合わせですべての色を表現できます。混ぜれば混ぜるほど暗い色、黒っぽい色へと変化するため、CMYKによる色表現は「減法混色」や「減法混合」とも呼ばれます。』
出典:graphic

 

どちらも似たような色で構成されていますがRGBカラーは「レッド・グリーン・ブルー」の3色で構成されているのに対し、CMYKカラーは「シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック」の4色構成になっています。

 

0~100%まである各色の濃度は数値で表されており、レタッチしたPCソフトからアプリケーションを通じてその数値情報をプリンターに送るという仕組みになっています。

 

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プリントしたらPCで見てた色となんか違うんだけど。。

 

しかし、実際は用紙、印刷機、湿度、環境の違いによって数値を指定したにも関わらず、思ったような仕上がりにならないことがあります。

 

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こればかりはインクという特性上、RGBカラーをそのまま転写することが不可能で、それぞれ別々に製造された機種(カメラ、PC、プリンター)ごとによって互換性の問題があったりうまく連動しないと言ったケースが出てくるわけですね。

 

完璧に仕上げた写真データを忠実にプリントしたいと考えるハイアマチュア・プロの多くは、この問題に頭を悩ませることが多いわけですが「プリントプロファイル」「色校正」「テストプリント」等によって改善しています。

 

また、インクの種類が多いほどより細やかな校正が必要になるため、プリントにこだわりたい人はその辺りの課題もクリアする必要があるでしょう。

 

顔料プリンターと染料プリンターの価格相場はほぼ同じ

顔料と染料と言ってもインク容量、インクパッケージのサイズはほぼ同じ、またプリンター本体もどちらのインクでも基本的な構造は同じになっています。

 

傾向としては同じシリーズで発売された染料プリンター・顔料プリンターでは若干、顔料タイプが少し値が張る傾向にありますね。

 

2020年11月にいずれもハイアマ・プロ仕様として発売されたCANON「imagePROGRAF PRO-G1(顔料10色インク)」、「PIXUS PRO-S1(染料8色インク)」の価格推移を見てみましょう。

 

PRO-G1の価格推移
出典:価格.com

 

2022年10月時点のキャノンオンラインショップでPRO-G1の希望小売価格は「87,780円」。

 

直近2年間の価格は「89,000円台~79,000円台」で推移しており、2022年10月時点では81,000円ほどで購入することができます。

 

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安定して価格推移していて、特に価格が大きく変動するシーンはなかったですね。

 

なお、プリンターは不具合や消耗の激しい機器なので中古価格はおすすめしません。また、中古ではオークションサイトやメルカリでしか販売されていないようです。

 

PRO-S1の価格推移
出典:価格.com

 

2022年10月時点のキャノンオンラインショップでPRO-S1の希望小売価格は「76,780円」。

 

こちらも直近2年間を見てみると「77,000円台~71,000円台」で推移しており、特に目立った大きな変動はありません。

 

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最安値では69,000円台というものまでありますね!

 

なお、キャノンオンラインショップによると注文してから納期が約3週間となっており、受注生産している可能性が高いですね。

 

おすすめの顔料プリンター3選!

EPSONプリンター
出典:unsplash

 

最後に、カメラマン向けに写真印刷において評判が良く安心して使えるおすすめのプリンター3選をご紹介します。

 

プロ仕様は10万円前後するタイプが多いですが、顔料タイプは手ごろな染料タイプより少し値が張りますね。

CANON「imagePROGRAF PRO-G1」

PRO-G1
出典:Amazon

【メーカー】CANON
【価格(Amazon)】79,800円
【インク】顔料10色
【プリントヘッド】7680ノズル
【最大用紙】A3ノビ
【インクコスト(L版カラー)】約28.3円
【印刷スピード(A3ノビ光沢紙)】約2分50秒
【質量】約14.4kg

 

CANON最新のハイアマ・プロ向けのPROシリーズ「PRO-G1」

 

「PRO-1000」の後継機として登場したPRO-G1はマットブラックに新開発インクを採用し画質・印刷速度と全てにおいて機能向上しています!

 

ちょっとこだわってプリントしていきたいと考えている方にとって7万円台という金額は、カメラレンズに比べると決して高くないので是非、挑戦してみたいですね。

 

【※Amazonなら最安値帯で販売中!】
Amazonサイト

EPSON 「SC-PX1V」


出典:Amazon

【メーカー】EPSON
【価格(Amazon)】89,973円
【インク】顔料10色
【プリントヘッド】1800ノズル
【最大用紙】A3ノビ
【インクコスト(L版カラー)】約20.8円
【印刷スピード(A3ノビ光沢紙)】約3分17秒
【質量】約12.6kg

 

EPSONの最新機種で売り出し中の「SC-PX1V」

 

スタンドアローン方式でタッチパネルに搭載された沢山のメニューから、これまでは操作できなかったような詳細設定を行うことが可能になりました。

 

画質は素晴らしく給紙・プリント時間には少し難がありますが、ブルーの色調がこれまでのSC-PX5Vシリーズより改善され小型軽量化にも成功した最新機種。

 

ちなみに、A2ノビまで対応できる「SC-PX1VL」は16万円前後と高価ですが、1枚あたりのコストはSC-PX1Vより約2円安い18.6円になっています。

 

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EPSON「SC-PX5Vⅱ」

SC-PX5Vⅱ
出典:Amazon

【メーカー】EPSON
【価格(Amazon)】119,800円
【インク】顔料9色
【プリントヘッド】900ノズル
【最大用紙】A3ノビ
【インクコスト(L版カラー)】約21.3円
【印刷スピード(A3ノビ光沢紙)】約2分33秒
【質量】約15kg

 

言わずと知れたEPSONの名機で多くのプロカメラマンから愛されている「SC-PX5Vⅱ」

 

2014年に発売された機種ですが未だに根強い人気があり、後継機「SC-PX1」が登場したことで既に製造中止になっていますが2026年4月30日までは修理対応しているので今からでも使えるプロクオリティ品質が魅力です!

 

画質、安定性、使いやすさ、印刷スピード、PCから詳細設定できる点などまさに使いやすさを極めた一台ですね。

 

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よりこだわった写真プリントを目指すなら顔料インクがベスト!

鮮やかな青インク
出典:unsplash

 

今回は撮影した写真を印刷する機会が多いカメラマン目線で写真プリント予備知識編として顔料インクのメリット・デメリット、染料と顔料の違いや結局どっちが良いのというお話をご紹介しました。

 

顔料インクの仕組みを知れば知るほど奥が深いですし、印画紙との組み合わせで表現できる幅はさらに広がります!

 

ランニングコストがかかると言った大きなデメリットはありますが、100年写真が持つと言われている顔料インクを極めるのもまた、楽しみの一つと言えるでしょう。

 

今回の記事が、顔料インクって何?染料インクとの違いを知りたいと思っている方の参考になれば幸いです。






鹿児島写真部MUZEでは「ポートレート撮影体験」「フォトウォーク」「写真展」等のイベント開催を行っており、楽しい撮影を楽しもう!を合言葉に撮影技術の向上・モデルマッチング・地元観光応援を目指した企画を行っています。

 

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