トーンカーブの使い方をマスターしよう!LightroomやPhotoshop基本補正との違いとは?

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RAW現像ソフトのトーンカーブってなに?

RAW現像ソフトに不慣れな方は基本補正はいじるけど、トーンカーブは触ったことがない方も多いのでは?

今回はカメラを始めて半年でプロモデルやテレビ局タレントを撮影した私が、実際にトーンカーブの機能やおすすめの使い方をご紹介します。

この記事を読むことで頭を悩ませがちなレタッチ作業が上手になり、SNSで見かける憧れの作品を作ることができるようになります。



そもそもトーンカーブとは

トーンカーブの使い方をマスターしよう!PC

トーンカーブは中級者以上向けRAW現像ソフトに搭載されている機能で明るさ、暗さ、コントラストをマウスのカーソル操作で直感的に変えることができる階調補正のことです。

トーン(調子)をカーブ(曲げる)させるという意味。

Lightroom(ライトルーム)やPhotoshop(フォトショップ)、Luminar(ルミナー)、Caputure One(キャプチャーワン)など代表的な有料現像ソフトには必ず付いてる機能で、

Gimpなどの一部の無料現像ソフトでも操作することができます。


高度な画像編集が可能なソフト【Luminar AI】

Lightroomの場合

ユーザー数が多いAdobe社「Lightroom」の場合このようなメニューが表示されます。

lightroomトーンカーブ

それぞれ画像データ内の明るい領域、暗い領域の調子を変えることができます。

Lightroomユーザーでもその難しさから全然触らない方もいれば、基本補正だけ上げ下げして終わる方もいるのではないでしょうか。

メニュー機能や使い方は次章で詳しく解説します。

また、LightroomとLightroom classicの2種類がありますが、classicのポイントカーブはもう少し凝った機能がついています。

違いが分からないという方はこちらの記事でLightroomとLightroom classicの違いを紹介しています。

Photoshopの場合

同じくAdobe社「Photoshop」にも似た機能があり、こちらはフィルターメニュー内にある「Camera Rawフィルター」という画面からLightroomと同様の操作が行なえます。

Photoshopトーンカーブ

本来、Photoshopは編集・合成処理を得意としたソフトで、Lightroomは編集・管理がメイン。

同じAdobe社なのでPhotoshopにはLightroomの機能がそのまま入ってるという感じでしょうか。

PhotoshopのCamera Rawフィルターでは「パラメトリックカーブターゲット調整ツール」という機能があります。

これは指定した場所の写真に含まれる明るさ度合いを、ヒストグラム上でどの辺りに位置しているか確認できる便利な機能がついていて、私の場合Photoshop側からトーンカーブを調整するもあります。

ヒストグラムは次章で詳しくお話していきます。



トーンカーブの使い方をマスターしよう!

トーンカーブの使い方をマスターしよう!Color

ここからはLightroomを使ってトーンカーブの特徴や機能、使い方をレクチャーしていきます。

直観的に操作することで写真が良くなったりしますが、どの機能が写真のどこに影響しているか仕組みを理解していないと同じ写真を再現することは難しくなります。

また、写真のどの部分が変わったのかしっかり目を凝らしてみないと微妙な変化に気付けなかったりすることもあるのでじっくりと作業を行っていきましょう。

Lightroom以外のRAW現像ソフトでもトーンカーブの操作やHSL色空間の考え方は同じです。

【HSL色空間】
HSL色空間とは、色相、彩度、輝度の3つの成分からなる色空間。HSV色空間によく似ている。 HSL、HSIと呼ばれることもある。 色相:色味を0~360度の範囲の角度で表す。0度は赤で、その反対側に位置する180度は赤の反対色にあたる青緑。
出典:Wikipedia

トーンカーブの特徴

トーンカーブは明るさ、暗さ、コントラストをマウス操作で変えることができると言いましたが、実際には「ヒストグラム」と呼ばれる明るさの分布図を見ながら操作を行っていくことになります。

「ヒストグラム」は左下から右上へと一直線を描いていますが、好きな位置に左クリックでポイントを作ってそこからS字に曲げたり弧を描くようにして明るさと暗さの微調整を行うことが可能

lightroomS状カーブ

lightroom山なり

この図を見ると思わずやる気がなくなってしまう方もいるかもしれませんが、他人と違った写真表現をするにはこの階調の仕組みを知っておくと必ず役に立ちます。

また、全ての色の基本となるRGBチャンネル(赤・緑・青)では写真全体の赤かぶりを取ったり、健康的に見えない顔の青色を抑えて赤く紅潮させることも可能。

写真画像の処理において、「トーンカーブ」による階調補正は、必須の技術だ。ホワイトバランスや基本補正と同様に、トーンカーブの使い方を覚えることはRAW現像と画像処理の基本となる。
出典:Adobe

公式でもこう書かれてるぐらいなので人より写真がうまくなりたい人は少しずつ理解を深めていきましょう。

また、写真技術を上げたいと思っている方はこちらの記事が参考になると思います。

基本補正との違い

RAW現像ソフトを持ってる方はここで一つの疑問が生まれると思います。

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基本補正でも明るさや暗さを調節できるんじゃ…?

確かに基本補正でも露光量、ハイライト、シャドウ、黒レベル、白レベル、コントラストを調整することは可能です。

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じゃあ、どんな違いが?

それは「調整できる幅」に違いがあります。

文章で説明しても伝わりにくいと思うので実例を見てみましょう。

コントラスト-60 1005x670コントラスト+60 1005x670

(基本補正によるコントラスト調整 左がコントラスト-60 右がコントラスト+60)

ポイントカーブ補正コントラスト弱 1005x670ポイントカーブ補正コントラスト強 1005x670

(ポイントカーブによるコントラスト調整 左がコントラスト弱め 右がコントラスト強め)

上の写真ではポイントカーブによるコントラスト弱めの方が肌の色や緑の芝生も自然な感じで柔らかさが残っています。

※好みもあると思いますがポイントカーブによるコントラスト強めはちょっと強すぎました、、

このように基本補正のコントラストでは単純に上げるか下げるしかできないのに対して、トーンカーブではハイライト・中間層・シャドウ部のポイントを曲げることでたくさんの表現ができるようになります。

基本補正ではハイライト・シャドウなど一番明るい部分と暗い部分しか調整できないのに対して、トーンカーブではその一歩手前にあるライト・ダークや中間層の明るさまで調整することが可能

この微調整できる機能によって、

・フィルムカメラ風に仕上げたい時はシャドウ部分を狭くすることでフィルム感が出せる

・中間色を明るくすることでハイライトを抑えたまま全体の雰囲気を明るくする

 
このような基本補正だけではできないような細かい表現が可能になります。

カメラの基本設定はこちらの記事で紹介しています。興味のある方はご覧ください。

基本メニューの一覧

トーンカーブ機能一覧

Lightroomのメニューがこちら。

・ポイントカーブ白(シャドウ、ダーク、中間層、ライト、ハイライトに係る明暗を調整)
・RGBチャンネル赤(シャドウ、ダーク、中間層、ライト、ハイライトに係る赤色を調整)
・RGBチャンネル緑(シャドウ、ダーク、中間層、ライト、ハイライトに係る緑色を調整)
・RGBチャンネル青(シャドウ、ダーク、中間層、ライト、ハイライトに係る青色を調整)
・パラメトリックカーブ(シャドウ、ダーク、ライト、ハイライトをスライダー操作)
・メニューバー表示(写真上にチャンネル編集バーを表示させる)

 
ヒストグラム(分布図)では上下が「色情報」の大きさを表し、左右が「明るさ」の明暗を表しています。

これはカーブ上に付けたポイトを上に引っ張るほど色が濃くなり、右に寄せるほど明るくなることを意味しています。

実際に触ってみると分かりますが自由自在にカーブさせることができるので、可能な組み合わせは何千、何万通りにもなるのではないでしょうか。

RGBチャンネル赤・緑・青も同じように色相と明暗を調整することができます。

毎回、同じようにレタッチしたい方はそれぞれカーブの数値を右クリックの「チャンネル設定のコピー」で保存させておくことができるため、自分オリジナルのプリセットを作ることも可能。

ハイライト側をいじってみる

ここでは実際に、ハイライト側を少しいじってみましょう。

ハイライト側をいじってみる① 768x388

ヒストグラム上の右側が「明るいエリア」、真ん中が「中間層」、左側が「シャドウエリア」に分けられます。

まずは右上付近にあるポイントを少し下げてみましょう。

ハイライト側をいじってみる② 764x385

するとコントラストが少し下がったのが分かりますが、いじったポイントの下にあるヒストグラムは尖った山のようになっていますよね。

これはこのエリアの明るさがとても周りと比べて多いことを意味しています。そのエリアの明るさを下げたことで結果的にコントラスト(明暗差)が下がったことが分かります。

今度は反対に同じポイントを山のてっぺんから離れるように上に上げてみましょう。

ハイライト側をいじってみる③ 767x385

するともともと明るさが多い地点がさらに強くなったことで写真が白飛びしていることが分かるでしょうか。

最後に一番右上にあるポイントを少し下げてみましょう。

ハイライト側をいじってみる④ 769x388

これはこの写真の中で一番明るいエリアを下げたことになるため、シャツや空の白が抑えられてマットな感じになったことが分かります。

このようにヒストグラムの形状を見ながらどのエリアの色が割合を占めていて強いのかを把握し、その山のてっぺんを意識して上げ下げすると変化が分かりやすいですね。

この写真のヒストグラムを見るとかなり明るいエリアに山が出来ていて、黒い部分の山はかなり低いことから全体的に明るい要素が多い写真だということが分かります。

今回はMUZEの女性モデルを起用していますが、被写体探しにお困りの方はこちらの記事が参考になると思います。

シャドウ側をいじってみる

次はハイライトの反対にあるシャドウエリアをいじってみましょう。

ハイライト側をいじってみる① 768x388

左側のエリアがシャドウエリアになります。左下付近にあるポインタを少し上に上げてみると、

シャドウ側をいじってみる② 770x377

一番暗いところより少し手前側にあるダークが明るくなったことで写真にある黒い部分が持ち上げられたことが分かります。

シャドウ側をいじってみる③ 766x388

次は反対に左下付近にあるポインタを少し下げてみるとダークが強調されて髪の毛やカメラが黒くなったことが分かりますよね。

最後は一番左下にあるもっとも暗いエリアを持ち上げてみると、

シャドウ側をいじってみる④ 765x386

一番黒いエリアが潰れて真っ黒な部分がほとんどなくなりました。フィルムカメラではこういった現象が起こりやすいためフィルムカメラ風のレタッチをする場合はシャドウエリアを持ち上げることが多いですね。

ポイントをまとめると、

・コントラストを強くしたい場合は明るいハイライトエリアを上げる又はシャドウエリアを下げる
・コントラストを弱くしたい場合は明るいハイライトエリアを下げる又はシャドウエリアを上げる
・中間層のポイントを上げると写真全体の色相が下がり、ポイントを下げることで色相は強くなる

 
あらかじめ写真の完成図を頭の中で考えて、ヒストグラムの分布を見て色味と相談しながら調整していくとスキルアップしやすくなります。



作例①清潔感ある爽やかなアクア寄り

まだまだヒストグラムとカープの関係がピンと来てない方もいると思うので実際によくSNSで見かける爽やかなアクアよりのレタッチをご紹介します。

アクア寄り補正前アクア寄り補正後

暗めに撮ったこの写真はシンプルな女の子に深い緑をバックに撮影したものです。

どのような補正を行っているか見てみましょう。

アクア寄りトーンカーブ白

まずは白の補正ですがハイライトより一歩手前の顔にかかっているライトエリアを少し高めに上げて全体の明るさを底上げ。

アクア寄りポイントカーブ赤

赤の補正はほとんどしていませんが白のライトエリアを上げたこともあって、少しライト側の赤を気持ち強くしています。

アクア寄りトーンカーブ緑

次は緑の補正ですが顔のあるライトエリアに緑がかってしまうのを防ぐために少しマゼンタ側に色を振っておきます。

アクア寄りトーンカーブ青

青の補正ですが、バックの緑にアクアやブルーを足すことを前提に、不自然にならないようにシャドウ~中間にある髪や緑に合わせて青を強めにしていますね。

アクア寄り基本補正

カーブ補正に合わせて基本設定も少しいじっています。

露光量とハイライト・シャドウ・白レベルを上げて、コントラストを下げることで全体の明るさを調整しています。

最後にカラーグレーティングでシャドウ・中間・ハイライトのいずれもアクアやブルーを足すことで顔の明るさや肌の赤味を残したまま背景の緑をキレイなアクア寄りに調整しました。

これはほんの一部ですがトーンカーブとキャリブレーションを併せて使えばもっと繊細な色を表現することができるでしょう。

作例②シャドウ側を潰したフィルムカメラ風

フィルムカメラ風補正前フィルムカメラ風補正後

続いては人気のフィルムカメラ風のレタッチ作例。この写真は撮影会で撮った夜景ポートレートです。

こちらも露光量を上げずに撮ったままのRAWデータ状態を使用しています。

フィルムカメラ風トーンカーブ白

フィルムカメラ風なのでシャドウ・ダーク側の色は濃い黒はNG。シャドウ・ダーク側のポイントを上げることでコントラストを下げて淡い感じを作っていきます。

フィルムカメラ風トーンカーブ赤

赤の補正はこちらも同じように上げたシャドウ・ダーク部分に赤味を足していきます。これは次に補正する緑カーブでシャドウ・ダーク部分に緑が入り過ぎないようにするための布石ですね。

フィルムカメラ風トーンカーブ緑

そして最後に緑の補正は、写真全体に緑がかった色を入れたいのでシャドウ部分を少し上げてダークエリアはそのまま。中間層に多めに緑を入れて全体のバランスを取っていきます。

仕上げに露光量を少し上げてコントラストを下げる。明瞭度を下げればちょうど緑が強調されるコダックのネガフィルムに似たフィルムカメラ風のレタッチが完成しました。

今回は質感を考えて粒子を少し荒くしてフィルムカメラ感を演出しています。

作例③SNS人気が高いゆるふわタッチ

ゆるふわ風補正前ゆるふわ風補正後

最後はSNSで人気のゆるふわ風の可愛いレタッチをご紹介しておきます。撮影会で撮影した女の子2人のショット。

このままでもキレイですがカーブ補正するともっとふわっとして可愛い感じを演出することができます。

ゆるふわ風トーンカーブ赤

白の補正ですがダーク・中間層はほんの少し上げて、ライトエリアだけ白飛びを抑えるために下げておきます。

ゆるふわ風トーンカーブ赤

赤の補正ですが夕方に撮影したとあって夕陽のオレンジが背景や浴衣の白い部分にかかっていたので、ライト・ハイライト側を青色に振ってバランスと取ります。

ゆるふわ風ポイントカーブ青

緑の要素は芝生くらいしかなかったので飛ばして青の補正を行っていきます。ふわっとした印象を出すためにダークエリアと、特にライトエリアを上げて青色に振ることで全体の重さを解消。

仕上げにかすみの除去と明瞭度を少し下げれば全体をふわっとまとめることができました。

ゆるふわでは単に明瞭度とかすみの除去を下げただけでは被写体までボヤっとしてしまうので、トーンカーブで全体のバランスを見ながら色の輝度を上げると良いです。

それでも思った色にならない場合はカラーグレーティングやキャリブレーションで調整することをおすすめしますね。

とにかく慣れるまで触るのがおすすめ

トーンカーブの使い方をマスターしよう!曲道

今回はRAW現像ソフトで難しいと言われているトーンカーブについて初心者向け、中級者向けに使い方や機能をご紹介しました。

基本補正だけでもそれなりに明暗、コントラスト、色彩を調整することもできますが、トーンカーブを併せて使うのがおすすめ。

最近はLightroomのプリセット(既製品)があるのでそれらを買うのも一つの手ですが、慣れてきたら自分だけの表現をしたいと必ず思うのではないでしょうか。

Lightroomに関連した記事も増やしていく予定なのでカメラマンの良い作品作りの参考になれば幸いです。

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