LightroomのカメラマッチングプロファイルがCannon RFカメラと合わない!という記事を紹介したのは今年7月。
写真家・西田航さんの情報提供でCannonユーザーには不利な情報として現状&対策を紹介しましたが、今年2021年10月27日~28日アメリカで開催された「Adobe MAX 2021」で大幅なアップデートが行われました。
そして、ついにRFカメラ上位機種のR5、R6、1DX3に加えてこれから発売されるR3のマッチングプロファイルが「Lightroom」「Lightroom classic」で対応されることに!
嬉しい情報の半分、RPだけ未対応ということでしたので今回はアップデート内容とRPユーザー向けに対処法をご紹介していければと思っています。
※2022年2月時点でRP含むすべてのCannon RFシリーズがLightroomマッチングプロファイルに対応いたしました。
「Adobe MAX 2021」で大型アップデート解禁
出典:Adobe MAX
あまり聞きなれない方も多いと思いますが「Adobe MAX 2021」はクリエイティブ活動に関わる色んな内容を取り扱う祭典のこと。
今年は渡辺直美氏や佐藤可士和氏など著名人が登壇してセッションを開く予定になっていますが、オンライン開催が中心でイベント中はデザインコンテストやプレリリース情報も併せて公開されています。
今回の「Adobe MAX 2021」でのアップデート内容を見てみると、
・Photoshop
・Lightroom
・Lightroom classic
・Premiere PRO
・After Effects
・illustrator
・Character Animator
・Substance 3D
上記のAdobe Creative Cloudから提供されているほぼ全てのアプリで新機能追加、機能向上や更新など何かしらのアップデートが施されています。
今回のLightroomやLightroom classicでアップデートされた目玉となる更新内容は次章で紹介しますので。
「Adobe MAX 2021」は10月27日~28日(米国時間10月26日~10月28日)に開催されており、本記事の公開時点ではイベント終了していますが概要を貼っておきます。
LightroomがCannon新機種のカメラマッチングプロファイルに対応!新機能追加
当サイトでもたびたびご紹介させて頂いている鹿児島出身の写真家・西田航さんの最新YouTubeでLightroomがCannon新機種のカメラマッチングプロファイルに対応したことを発表。
現時点でAdobe公式サイトの「新しいカメラとレンズのサポート」を見てみるとまだ最新の状態に更新されていませんでした。
しかし、西田さんのPCモニターを使ったレビュー動画を見てみるとR5、R6と言ったCannon上位機種やRFレンズがマッチングプロファイルに対応していたことから事実と考えられます。
マスクによる編集機能
同じAdobe社の「Photoshop」にはマスクという機能がありますが、これに近い機能がLightroomやLightroom classicにも実装されました。
出典:Adobe
出典:Adobe
この機能によって被写体だけを正確にコントロールすることが可能に。
これまで実装されていた線形グラデーションや円形グラデーションを組み合わせれば滑らかな色彩グラデーションを作ることができます。
また、同じ機能のマスクを使えば写真の分析が実行されて自動で空を認識するようになります。
出典:Adobe
こちらもPhotoshopの「空を置き換え」の機能と似ており、被写体はそのままに空の色味などを変えることが可能。
新しいカメラとレンズのサポート
CannonのRFカメラが発売されるようになってからRAWの保存形式が「CR2 → CR3」に変更になりました。
Lightroom側はCR3のRAWデータには対応していなかった訳ですが今回のアップデートにより、
【RFカメラ】
・R5
・R6
・R3
・1DX Mark3
【RFレンズ】
・RF14-35mm F4L IS USM
・RF15-35mm F2.8L IS USM
・RF24-70mm F2.8L IS USM
・RF24-105mm F4L IS USM
・RF24-105mm F4-7.1 IS STM
・RF24-240mm F4-6.3 IS USM
・RF28-70mm F2L USM
・RF35mm F1.8 MACRO IS STM
・RF50mm F1.2L USM
・RF50mm F1.8 STM
・RF70-200mm F2.8L IS USM
・RF70-200mm F4L IS USM
・RF85mm F1.2L USM
・RF85mm F1.2L USM DSM
・RF85mm F2 MACRO IS STM
・RF100mm F2.8L MACRO IS USM
・RF100-500mm F4.5-7.1L IS USM
・RF100-500mm F4.5-7.1L IS USM + EXTENDER RF1.4×
・RF100-500mm F4.5-7.1L IS USM + EXTENDER RF2×
・RF400m F2.8L IS USM
・RF600m F4L IS USM
・RF600m F11 IS STM
・RF600m F11 IS STM + EXTENDER RF1.4×
・RF600m F11 IS STM + EXTENDER RF2×
など
EOS RはもともとLightroom対応していましたが最新機種がラインナップ。
レンズを見るとCannonユーザーなら分かると思いますがほぼ全てのレンズを対象にアップデートされていることが分かります。
唯一の懸念材料はEOS RPだけ非対応
出典:unsplash
RPユーザーにとっては「なんでRPだけ?」と頭を抱えてしまう今回の大型アップデート。
その理由は、あくまで推測ですが「6DMarkⅡ」と同類なのでRFカメラとしてAdobe側に認識されていないことに原因があるのかと。
6DMarkⅡには「DP CMOSセンサー」が実装されておりその後、発売されたRPも実は全く同じセンサーを搭載しています。
【6DMarkⅡとRPに搭載された共通センサー】
センサーサイズ=フルサイズ
有効画素数=2620万画素
最大記録画素=6240×4160ピクセル
アスペクト比=3:2、4:3、16:9、1:1
ローパスフィルター=あり
要約するとRPは6DMarkⅡを小型で安価、かつマウントをRFに変えただけの機種ということに。
近い時期に発売されたEOS Rも同じCMOSセンサーではあるもののイメージセンサーはまるで別物です。
つまり、RPはRFカメラとしての位置づけではなく6DMarkⅡの延長線上にある旧機種という捉え方ができるのではないでしょうか。
RAWフォーマットは確かに「CR3」ではあるんですが今回の大型アップデートではCannon新機種を対応させました!という形で目玉になりそうなR5、R6、R3、1DX3を当て込んであるためRPは度外視されている可能性が極めて高いと思います。
目玉にはならないと言うことは定期的に行われるアップデートで対応してくる可能性は十分にある訳ですが、対処法を次章で説明していきます。
【EOS RPユーザー向け】マッチングプロファイルが合わない時の対処法
出典:unsplash
Cannonから2019年3月に発売された手頃な価格が魅力のミラーレスフルサイズ機「EOS RP」。
デジカメ初心者から上級者まで愛される機種ですが、今回の大型アップデートでは対象になりませんでした。
マッチングプロファイル未対応だと透き通るような女性モデルの肌をばっちり描写するには少し難がありますが、それ以外ならLightroomに備えられている機能を使えば対処できます。
プロファイルブラウザー「人物」を使って階調する
Lightroomにはレタッチする前に初期の色調を変えることができる「プロファイルブラウザー」がありますよね。
写真に写っている被写体に合わせてカラー・アーティスティック・ビンテージ・モダン・モノクロから選ぶことでレタッチ作業をよりスムーズに進めるための布石となります。
こちらはEOS RPにEF50mmF1.4を付けて少し淡い印象の写真にレタッチしたものですが撮って出しがコチラ。
すでに雰囲気が出来ていい感じですが、肌のスキントーンをさらに意識するならもっともおすすめは「モダン6」。
黄色がかった肌色でしたがモダン6に設定するだけで全体にマゼンタがプラスされ、ほっぺたに赤味が出ることでより女の子らしい顔つきに。
こちらは「ビンテージ10」ですが少し黄色が増した印象。
ちなみに選択した初期状態では適用量が「100」になっていますが、状況に合わせて少し弱めに「50」辺りで設定してあげると柔らかい温かみのある肌になります。
ちょっとした違いですがLightroomの操作に慣れていない人でも簡単に設定できるのでおすすめ。
このプロファイルブラウザーを決めてからレタッチしていくとイメージが沸きやすいので、プロファイル未対応でもそれなりに良い画作りはできると思います。
アップデートされるのを待ってみる
EOS RPをはじめ1DX3など発売から2年近くLightroomに対応されなかった訳ですが、今回の「Adobe MAX 2021」でこれまでの鬱憤がはれるくらいまとめてアップデートされましたね。
しかも2021年11月下旬に発売される「R3」も既にマッチングプロファイルが用意されています。
こうした状況を踏まえるとRPも今後、Lightroom対応する可能性は十分あるわけでそこからR5、R6、R3を買う人だっているのですから差し迫った問題がない限り「待つ」という方法は有効。
CannonとAdobeの関係性はよくわかりませんが世界でもっともユーザーが多いCannon機種を無視したアプリ作りはありえませんからね。
ちなみに今回の大型アップデートでは対応カメラボディだけでなく「RFレンズ」もほぼ、レンズプロファイルがあてこまれているので歪曲を直したり正中のとれた写真作りが可能になりました。
西田航さんのYoutubeを見て「Lightroom → CP1」に乗り換えた方もいるようですが、情報に流されず長い目で見ることも大切かと思います。
2022年2月時点でRPも対応しました
※2022年2月時点の確認で見てみると「Cannon RFシリーズ」は全てLightroomのマッチングプロファイルが対応しておりました。懸念していたRPも対応したとのことでお知らせいたします。
当初、LightroomマッチングプロファイルにおけるRFシリーズカメラが未対応だったことを記事したのが2021年7月。
✔Lightroomマッチングプロファイルが対応するまで時系列
・2021年7月時点ではほぼ全てのRFカメラ未対応(EOS Rのみ条件付き対応)
・2021年10月27日~28日「Adobe MAX」でR3・R5、R6、1DX3のみ対応
・2022年2月時点でRP含む全てのRFカメラが対応
出典:Adobe
下記リンクからAdobe公式ページで確認することができます。
Lightroomユーザー離れを防ぐ手立てになるか?
出典:Adobe
今回は2021年10月27日~28日に開催された「Adobe MAX 2021」による大型アップデートで対象となったRFカメラやレンズをご紹介してきました。
他のRAW現像アプリと比べてCannonへの対応が遅かったわけですが、CP1(キャプチャーワン)やLuminar(ルミナー)に鞍替えしてしまったCannonユーザーも多いかと思います。
「Adobe MAX 2021」による目玉としてアップデートされましたがこれが吉と出るかどうかは分かりませんが、既存のCannon→Lightroomユーザーにはとても嬉しい朗報には違いありません。
RPの位置づけがちょっと曖昧かなとも思いますが、次回以降のアップデートに期待したいと思っています。
今回の記事がCannonユーザーでLightroomマッチングプロファイルが合わなくて困っている方の参考になれば幸いです。
鹿児島写真部MUZEでは「MUZE撮影会」やイベント企画など撮影技術向上を目指した企画を行っています。
前回、前々回と参加してなかった方でも気軽に参加することができるので、皆さんの部員応募やイベント参加をお待ちしています。
また、写真部MUZEでは昨年11月から有料「MUZE撮影会」を開催しており随時有料モデル(時給1500円~3500円・実働2h~4h程)を募集しています。興味のある方はこちらのモデル応募フォームまたはInstagramのDMよりご相談下さい。
部員参加は下記、入部フォームから簡単にお申込みすることができます。たくさんのカメラ写真好きの皆様とお会いできることを楽しみにしております!
■無料・部員入部ホーム■
カメラを始めてわずか半年でプロモデル、テレビ局タレントの撮影を担当する。ポートレート撮影や企業撮影のほかWEB広告クリエイターとして活動。2021年7月7日に鹿児島写真部MUZEを立ち上げ、クリエイターやアパレル・ハンドメイド作家・地元店舗とコラボ企画を行う。2022年『PASHA STYLE』認定クリエイター。鹿児島出身。
[…] Adobe Lightroomのマッチングプロファイルがアップデート解禁!Cannon R5、R6、R3… […]